Send Music
本日の1曲
♪ Still Crazy After All These Years
yufuin silence feat.akira uchida
ジョニーさんの作品を眺めながら、私タニガワヨシユキが作品や個展にぴったりな音楽を1曲1曲 選曲して、この個展のためのプレイリスト「Send Flowers, Send Music "花を贈る"」に追加しています。
今日は雨降り。そのせいかどうかは分かりませんが、ジョニーさんの絵を見ていてこの曲を思い出しました。
以前営んでいた湯布院のCREEKS.というお店で、2015年に作ったアルバムに収録された曲です。
実はこのアルバムは、僕自身がプロデュースをしたアルバムでもあり、友人の音楽家である内田輝と一緒につくりました。
アルバムのタイトルは「after the rain at CREEKS.」。6月に作ったアルバムなんですが、主役は湯布院の「静けさ」と雨上がりの「あの感じ」。だからレコーディングは、湯布院全体が静かになった夜。で尚且つ、雨上がりのタイミングだけを狙ってやってました。我ながら面倒なことしてましたねぇ。内田くんもよく付き合ってくれたなぁ。
余談ですが、内田くん(僕らはウッチーと呼びます)は、それはそれは他にない我が道を歩んでいる素晴らしい音楽家です。最近では清水寺の廃材から楽器を作ることを初めて許され、クラヴィコードというピアノの原型にあたる古楽器を作成してましたね。他にも、具体的な名前は言えないですが、世界的な音楽家がウッチーが作るクラヴィコードに惚れ込んだようで製作依頼を受けて一昨年だったか完成して無事納品したよ。なんてさらっと言ってましたね。
いつまで経ってもくびったけ
本日の1曲ですが、めちゃくちゃ静かで、なんならめちゃくちゃ暗いアルバムに収録していて、この曲がアルバムの中で1番明るい曲です。
曲名にピンと来た方もいるかも知れませんね。
そう、ポール・サイモンの曲と同名です。曲そのものを意識した訳じゃないですが、高校生の時に読んだ村上龍の69(シックスティナイン)という小説の中でこの曲名が出てくるんです。それがとても印象的で大好きになったフレーズなんです。
「Still Crazy After All These Years」
いつまで経ってもくびったけ。
お好きな感覚で捉えて良いと思いますが、どれだけ時が流れても、それに触れると聴くと眺めると、やっぱり心が動くし、愛おしいなぁと思えるものが1つでもあればそれで十分幸せだってことか??? 自分がそんなものと果たして出会うんだろうか。。。なんて、当時生意気盛りの高校生のボクが思っていたかどうかは、全く覚えてないですが、すごくすごくこのフレーズに惹かれたことだけはよく覚えています。
evergreenで、timelessで
封を開けた新品の時には価値を感じても、時間と共に飽きてしまう。、愛着が湧かないから結局捨ててしまう。そして繰り返す。。。
ボクもやっちゃうことありますが、歳と共にそのパターンはグッと減ってきたようには思います。心がしっかり動くものしか買わなくなってきたんでしょうね。
「大量生産の向こう側(対岸)」といったワードを若い頃から意識して、音楽関連の活動だとか店作りの指針にしてきましたが、歳を重ねた今、大量生産自体を否定しようとは思いません。だけど大量消費・大量破棄についてはやっぱり違和感を覚えますね。
単に沢山持ってることより、自分自身の中でときめきが色褪せないものや経験を、いくらかでも持ってことの方がはるかに大切だって思います。アースデーでもないのに何の話なんでしょうね。
ジャズとようかんでは、そしてミチカケでは、長く愛せるものや人との出会い、体験を、思いがけず、あっけなく提供していきたいなぁと思って活動しています。(まだまだできてなくてすいません)。
ジョニーさんの絵を展示し、こうして紹介しているのも同じ気持ちからです。ジョニーさんの絵は以前にも何点か買わせていただいていますが、タイムレスそのもの。色褪せないどころか、購入を決めた時の心の動きがいつだって眺めていると鮮やかに蘇ってきます。
ホンモノなんだなぁってつくづく。ジョニーさんありがとう。
今日は曲の話が長くなっちゃいましたね。
日曜日の昼下がり、ジョニーさんの水墨画やお近くの花や木々、相変わらずくびったけな愛用のお品や道具を眺めながら、音楽をゆっくり聴いて良い時間を過ごすのはいかがですか?
*音楽プレイリストは、作品を日々眺めながら時々曲を入れ替えています。